Ｊ・マーフィの教え

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  2015年11月17日

  フロイトによる潜在意識の“発見”

  

  宇宙生命エネルギーは潜在意識に潜んでいる、あるいは、宿っているとマーフィーは説いています。
  では潜在意識とはなんなのでしょう？

  これまで私は「潜在意識」という言葉を、とくに詳しく説明することなく使ってきました。
  ここで一度、潜在意識とはどういうものかをしっかり理解しておく必要があるでしょう。

  たとえば、二者択一を迫られたとき、考えに考え抜いて、Ａという方向を選んだとします。
  誰がどう考えてもその選択は間違いがなく、正しい選択だと断言するでしょう。
  自分でも正しい選択をしたと確信がもてる･･････。
  それなのに、自分の奥底から、「それで本当にいいのか？」「Ｂを選ぶべきではないのか」。
  そうしたささやきというか、意志とは別の思いが込み上げてくる。
  そんな体験をしたことはないでしょうか。

  このように、ふだん自分で「意識」だと思っている意識とは別に、もう一つの「意識」が存在していることを科学的に証明したのが十九世紀、ドイツの精神分析学者であるフロイトです。

  英国の哲学者バートランド・ラッセルは、人類の歴史を近代へと進化させるのに貢献した偉業として、ダーウィンによる進化論、アインシュタインによる相対性理論と並んで、フロイトによる潜在意識の証明を挙げています。

  それまでも、虫の知らせとか、ふいに突き上げてくる直観など、意識の水面下に何かもう一つ、心の動きがあることを感じ取っていた人は少なくありません。
  フロイトは非常な多読家で、新しい学説が提唱されるとその要点を素早くつかんで、それを独自の形にまとめあげる才能にとくに秀でていたと伝えられています。
  潜在意識についても同様の姿勢で臨み、それまでのさまざまな学説、まわりの学者たちの考え、患者から得た貴重な教えなどを集大成して、「無意識」「超自我」という、今日の潜在意識に通じる概念をまとめ、二〇世紀に手渡してくれた偉大な学者だったと評価されるべきでしょう。